
一昔前は結婚が女性の幸せの終着点のように思われていました。
女性の生き方が多様化した現在でもそういう考え方は根深く残っており、
結婚できない女という言葉に煽られて、女性は一定の年齢を越えると焦り始める人が少なくありません。
特に親のように結婚が女の幸せという考え方を生きてきた世代の人は娘が結婚できないということに
本人以上に不安を感じることもあります。
そんな両親を煩わしく思って
- 私の結婚なんだから私の好きな時にする!
- どうして放っておいておいてくれないの!
と両親が結婚の話をしようとすると不機嫌になる女性もいることでしょう。
しかし、この記事を読んでもらえれば、
「両親の心配はもっともかもしれない」
と思えるようになるかもしれません。
今回は結婚できない女性の末路や老後の不安について詳しく解説していきます。
結婚できない女性の末路
あえて末路という厳しい書き方をしました。
支え合うパートナーがいない
というのが最もイメージしやすいことかと思いますが、現実的な問題として、多くの独身女性を襲う厳しい問題があります。
それは老後の生活費です。
結婚できない女性でも、
- 正規雇用でバリバリ仕事をしてきた
- 厚生年金保険料も何十年も納めてきた
- なおかつ貯蓄もばっちり
という人はそこまで心配ないかもしれません。
しかし、きちんと貯蓄している人は既婚者に多く、
貯蓄ができる独身者は少ないのが現実です。
家計をやりくしながら子育てもしていると、財布の紐が固くなりお金の使い方が堅実的になってきますが、
独身者は自分の好きなことにお金を使えるので、かえって貯金ができないのです。
ずっと非正規雇用できてしまった場合は
- 貯蓄も心許無い
- 年金も最低限
という人もいるでしょう。
これは老後の生活はかなり厳しいやりくりが必要になってきます。
少なくとも、結婚している女性と同水準の生活は望めません。
住居費が安く済むところに一人で住み、
食費も切り詰め、
必要最低限の生活費以外に殆どお金は使えない、
遊興費もないため友人と外出もできない。
そんな孤独な生活が待っているのかもしれないのです。
老後の資金
老後の資金を計算するときは
【退職後から死ぬまでの月数×毎月の必要生活費】
で計算します。
具体的な数字を出して実際に計算してみましょう。
まずは、退職から死ぬまでの月数ですが、日本女性の平均寿命がだいたい87~88歳です。
60歳で退職したとして、死ぬまで
28年とします。
月数で数えるなら
28年×12ヶ月=336ヶ月
になります。
次に毎月の必要生活費ですが、高齢女性の一人暮らしで必要な生活費は、だいたい
15万円ぐらいと言われています。
つまり、老後の資金は
336ヶ月×15万=5,040万
と、なんと5000万円を超えるのです。
厚生年金に加入し続けてきた女性であっても、これだけの額が支給される人はそうはいません。
厚生年金が受給できたとしても不足分の補填に、
貯蓄は2,000万必要と言われています。
両親から実家を引き継いで家賃の心配はなかったとしても、築何十年も経って老朽化した家でリフォームもできず、引き継いだからには固定資産税も払いながら生活しなければなりません。
売却してまとまった資金に変えたとしても、老朽化した家では老後の資金全てをまかなう額には及ばないことが多く、兄弟がいれば分配もしなければなりません。
自分の老後資金の把握
老後の対策をするために、まずは現実をきちんと把握することから始めます。
最も現実的なところとして、
自分の受給年金額を試算してみましょう。
「年金額 シミュレーション」で検索すれば、
配偶者の有無に合わせて公的年金の受給額を試算できるサイトも見つかりますし、
日本年金機構のサイトでも「かんたん試算」という現在の職業を定年まで続けたときの年金額を自動試算できます。
受け取り予想額は月額で表示される場合と年額で表示される場合とありますのでよく確認してください。
- 今まで実家住まいで両親と生活していて仕事はしてもバイトくらい
- ずっと親の扶養家族で、健康保険証も親から渡されていた
という人は厚生年金保険料も納めていません。
そういう人は
「なんだ、こんなにもらえるなら大丈夫じゃない」
と思える金額を見たときは
月額ではなく年額の可能性がありますので注意してください。
また、受給金額は現時点での納付済保険料で算出している場合は、今後も年金保険料を納め続ければ変動してきますので、
実際に受給するときはもっと多い可能性もあります。
年金試算をしてみたとき、
- 月額15万近い額が出た
- 近い額が出たし個人年金などの貯蓄がある
という人は安心でしょう。
しかしそうでない人は
不足額を賄うだけの貯蓄の準備が今からでも必要なのです。
具体的な数字を見ると不安になるかと思いますが、独身者ばかりが年金額が足りていないわけではありません。
結婚していて夫婦2人とも受給できたとしても、やはり生活費が足りず
- 老後も働く
- 老後のための貯蓄を切り崩している
ということは往々にしてあることです。
独身者ばかりが辛いわけではないのは少し気が楽になるかもしれませんが、やはり夫婦2人の方が貯蓄しやすいというのは間違いありません。
最近は退職年齢も引き上げられつつありますし、
長く働けば働くだけ貯蓄の額は少なくて済みます。
必要以上に不安がらず、そう言ったことも加味してしっかりシミュレーションしてみましょう。
老後の不安を解消するために
具体的に把握ができたところで、次は対策です。
真剣に貯金に取り組む
これはただ口座に預けておくだけでなく、個人年金に加入するなど、自分の意志ひとつで気軽に引き出せないところに入金します。
- 引っ越し
- 旅行
- 冠婚葬祭
など、
「今月はイレギュラーな出費があるから」といって簡単に引き出せてしまうようでは老後資金に届くような貯金はできません。
- 確定拠出年金
- 個人年金保険
- 定期預金
- 投資信託
と言った貯金方法を検討してみましょう。
本気で婚活する
年金受給額を配偶者がいる場合・いない場合に分けてシミュレーションできるサイトでは、とりあえず仮想のパートナーを入力してみて
独身の時との受給額を比べてみてください。
パートナーがいることの安心感を具体的な数字で見ることができます。
もちろん、生活人数が増えるのですから生活費も増えますが、それは単純に2倍ではありません。
「お金のためにも結婚するべきだ」
と言うつもりではありませんが、やはり結婚は幅広い意味で
日々の生活に安定をもたらしてくれるのです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
結婚を心配するご両親の気持ちが少しはわかりましたか?
結婚できない女は惨めと言われるのは、何も昔に限ったことではありませんし、体裁以外の根拠もあるのです。
ここまで具体的に考えて心配しているかはわかりませんが、普通なら親は先に逝ってしまいますから、
「自分たちの亡き後、かわいい娘が惨めな生活をしていたら…」
と思うと、口を出さずにはいられないのです。
結婚を真剣に考えるか、
もしくはもう結婚を望まず仕事に打ち込みたいということでしたら、
自分の老後の計画をきちんと立てて、
心配しなくても大丈夫なのだと伝えましょう。
「余計な心配しないで」なんて言ってはいけません。
ご両親はただただ
我が子にいつまでも幸せでいてほしいと思っているだけなのですから。